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ヴィクタス 卓球ウェア(メンズ/ユニ) V-SX806/ショート丈ソックス/ユニセックス(037456)

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       猫の墓

 早稲田《わせだ》へ移ってから、猫が段々|瘠《や》せて来た。一|向《こう》に小供と遊ぶ気色《けしき》がない。日が当《あた》ると縁側《えんがわ》に寝ている。前足を揃《そろ》えた上に、四角な顎《あご》を載《の》せて、じっと庭の植込《うえこみ》を眺めた儘《まゝ》、いつ迄も動く様子が見えない。子供がいくら其《そ》の傍《そば》で騒いでも、知らぬ顔をしている。小供の方《ほう》でも、初めから相手にしなくなった。此《この》猫はとても遊び仲間に出来ないと云わん許《ばか》りに、旧友を他人|扱《あつか》いにしている。小供のみではない。下女《げじょ》はたゞ三度の食《めし》を、台所の隅《すみ》に置いてやる丈《だけ》で其《そ》の外《ほか》には、殆《ほとん》ど構い附けなかった。しかも其《そ》の食《めし》は大抵近所にいる大きな三毛猫《みけねこ》が来て食って仕舞った。猫は別に怒《おこ》る様子もなかった。喧嘩《けんか》をする所を見た試《ため》しもない。たゞ、じっとして寝ていた。然《しか》し其《そ》の寝方に何所《どこ》となく余裕《ゆとり》がない。伸《の》んびり楽々《らく/\》と身を横に、日光を領《りょう》しているのと違って、動くべきせき[#「せき」に傍点]がないために――是れでは、まだ形容し足りない。懶《ものう》さの度をある所迄通り越して、動かなければ淋《さび》しいが、動くと猶《なお》淋《さび》しいので、我慢《がまん》して、じっと辛抱《しんぼう》している様《よう》に見えた。其《そ》の眼附《めつき》は、何時《いつ》でも庭の植込《うえこみ》を見ているが、彼れは恐らく木の葉も、幹《みき》の形も意識していなかったのだろう。青味がゝった黄色い瞳子《ひとみ》を、ぼんやり一《ひ》と所に落ち附けているのみである。彼れが家《うち》の小供から存在を認められぬ様《よう》に、自分でも、世の中の存在を判然《はっきり》と認めていなかったらしい。
 夫《そ》れでも時々は用《よう》があると見えて、外《そと》へ出て行《ゆ》く事がある。すると何時《いつ》でも近所の三毛猫《みけねこ》から追懸《おっか》けられる。そうして、怖いものだから、縁側《えんがわ》を飛び上がって、立て切ってある障子《しょうじ》を突き破って、囲炉裏《いろり》の傍《そば》迄逃げ込んで来る。家《うち》のものが、彼れの存在に気が附くのは此《こ》の時|丈《だけ》である。彼れも此《こ》の時に限って、自分が生きている事実を、満足に自覚するのだろう。
 是れが度《たび》重なるにつれて、猫の長い尻尾《しっぽ》の毛が段々抜けて来た。始めは所々《ところ/″\》がぽく/\穴の様《よう》に落ち込んで見えたが、後《のち》には赤肌《あかはだ》に脱《ぬ》け広がって、見るも気の毒な程にだらりと垂れていた。彼れは万事《ばんじ》に疲れ果てた、体躯《からだ》を圧《お》し曲げて、しきりに痛い局部を舐《な》め出した。
 おい猫がどうかしたようだなと云うと、そうですね、矢っ張り年《とし》を取った所為《せい》でしょうと、妻《さい》は至極《しごく》冷淡である。自分も其《そ》の儘《まゝ》にして放《ほう》って置いた。すると、しばらくしてから、今度は三度のものを時々|吐《は》く様《よう》になった。咽喉《のど》の所に大きな波を打たして、嚔《くしゃみ》とも、しゃくりとも附かない苦しそうな音をさせる。苦しそうだけれども、已《やむ》を得ないから、気が附くと表《おもて》へ追い出す。でなければ畳の上でも、布団《ふとん》の上でも容赦《ようしゃ》なく汚《よご》す。来客の用意に拵《こしら》えた八|反《たん》の座布団《ざぶとん》は、大方《おおかた》彼れの為に汚《よご》されて仕舞った。
 「どうも仕様《しよう》がないな。腸胃《ちょうい》が悪いんだろう。宝丹《ほうたん》でも水に溶いて飲まして遣《や》れ」
 妻《さい》は何《なん》とも云わなかった。二三日してから、宝丹《ほうたん》を飲ましたかと聞いたら、飲ましても駄目です、口も開《あ》きませんという答《こたえ》をした後《あと》で、魚《さかな》の骨を食べさせると吐《は》くんですと説明するから、じゃ食わせんが好《い》いじゃないかと、少し嶮《けん》どんに叱りながら書見《しょけん》をしていた。
 猫は吐気《はきけ》がなくなりさえすれば、依然として、大人《おとな》しく寝ている。此《こ》の頃では、じっと身を竦《すく》める様《よう》にして、自分の身を支《さゝ》える縁側《えんがわ》丈《だけ》が便《たより》であるという風《ふう》に、如何《いか》にも切り詰めた蹲踞《うずく》まり方《かた》をする。眼附《めつき》も少し変って来た。始めは近い視線に、遠くのものが映《うつ》る如く、悄然《しょうぜん》たるうちに、どこか落付《おちつき》が有ったが、それが次第《しだい》に怪しく動いて来た。けれども眼の色は段々沈んで行《ゆ》く。日が落ちて微《かす》かな稲妻《いなずま》があらわれる様《よう》な気がした。けれども放《ほう》って置いた。妻《さい》も気にも掛けなかったらしい。小供は無論猫のいる事さえ忘れている。
 ある晩、彼は小供の寝る夜具《やぐ》の裾《すそ》に腹這《はらばい》になっていたが、やがて、自分の捕《と》った魚《さかな》を取り上げられる時に出す様《よう》な唸声《うなりごえ》を挙《あ》げた。此《こ》の時変だなと気が附いたのは自分|丈《だけ》である。小供はよく寝ている。妻《さい》は針仕事に余念がなかった。しばらくすると猫が又|唸《うな》った。妻《さい》は漸《ようや》く針の手を已《や》めた。自分は、どうしたんだ、夜中に小供の頭でも噛《かじ》られちゃ大変だと云った。まさかと妻《さい》は又|襦袢《じゅばん》の袖《そで》を縫い出した。猫は折々《おり/\》唸《うな》っていた。
 明くる日は囲炉裏《いろり》の縁《ふち》に乗ったなり、一日|唸《うな》っていた。茶を注《つ》いだり、薬罐《やかん》を取ったりするのが気味が悪い様《よう》であった。が、夜になると猫の事は自分も妻《さい》も丸で忘れて仕舞った。猫の死んだのは実《じつ》に其《そ》の晩である。朝になって、下女《げじょ》が裏の物置に薪《まき》を出しに行った時は、もう硬くなって、古い竈《へっつい》の上に倒れて居た。
 妻《さい》はわざ/\其《そ》の死態《しにざま》を見に行った。夫《そ》れから今迄の冷淡に引き更《か》えて急に騒ぎ出した。出入《でいり》の車夫《しゃふ》を頼んで、四角な墓標《ぼひょう》を買って来て、何か書いて遣《や》って下さいと云う。自分は表《おもて》に猫の墓と書いて、裏に此《こ》の下に稲妻《いなずま》起る宵《よい》あらんと認《したゝ》めた。車夫《しゃふ》は此《こ》の儘《まゝ》、埋《う》めても好《い》いんですかと聞いている。まさか火葬にも出来ないじゃないかと下女《げじょ》が冷《ひや》かした。
 小供も急に猫を可愛《かあい》がり出した。墓標《ぼひょう》の左右に硝子《ガラス》の罎《びん》を二つ活《い》けて、萩《はぎ》の花を沢山《たくさん》插《さ》した。茶碗に水を汲《く》んで、墓の前に置いた。花も水も毎日取り替えられた。三日目の夕方に四つになる女の子が――自分は此《こ》の時書斎の窓から見ていた。――たった一人《ひとり》墓の前へ来て、しばらく白木《しらき》の棒を見ていたが、やがて手に持った、おもちゃの杓子《しゃくし》を卸《おろ》して、猫に供《そな》えた茶碗の水をしゃくって飲んだ。それも一度ではない。萩《はぎ》の花の落ちこぼれた水の瀝《したゝ》りは、静かな夕暮《ゆうぐれ》の中に、幾度《いくたび》か愛子の小さい咽喉《のど》を潤《うる》おした。
 猫の命日《めいにち》には、妻《さい》が屹度《きっと》一切れの鮭と、鰹節《かつぶし》を掛けた一杯の飯《めし》を墓の前に供《そな》える。今でも忘れた事がない。たゞ此《こ》の頃では、庭迄持って出ずに、大抵は茶の間の箪笥《たんす》の上へ載《の》せて置くようである。

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 自分が此《こ》の下宿を出る二週間程前に、K君は蘇格蘭《スコットランド》から帰って来た。其時《そのとき》自分は主婦によってK君に紹介された。二人《ふたり》の日本人が倫敦《ロンドン》の山の手の、とある小さな家に偶然《ぐうぜん》落ち合って、しかも、まだ互《たがい》に名乗り換《かわ》した事がないので、身分も、素性《すじょう》も、経歴も分らない外国婦人の力を藉《か》りて、どうか何分《なにぶん》と頭を下《さ》げたのは、考えると今|以《もっ》て妙《みょう》な気がする。其《そ》の時|此《こ》の老令嬢は黒い服を着て居た。骨張って膏《あぶら》の脱《ぬ》けた様《よう》な手を前へ出して、Kさん、是れがNさんと云ったが、全《まった》く云い切らない先に、又一本の手を相手の方《ほう》へ寄せて、Nさん、是れがKさんと、公平に双方を等分《とうぶん》に引き合《あわ》せた。
 自分は老令嬢の態度が、如何《いか》にも、厳《おごそか》で、一種重要の気に充ちた形式を具《そな》えているのに、尠《すくな》からず驚かされた。K君は自分の向《むこう》に立って、奇麗な二重瞼《ふたえまぶち》の尻に皺《しわ》を寄せながら、微笑を洩らしていた。自分は笑うと云わんよりは寧《むし》ろ矛盾《むじゅん》の淋《さび》しみを感じた。幽霊の媒妁《ばいしゃく》で、結婚の儀式を行ったら、斯《こ》んな心持《こゝろもち》ではあるまいかと、立ちながら考えた。凡《すべ》て此《こ》の老令嬢の黒い影の動く所は、生気《せいき》を失って、忽《たちま》ち古蹟《こせき》に変化する様《よう》に思われる。誤って其《そ》の肉に触れゝば、触れた人の血が、其所《そこ》丈《だけ》冷たくなるとしか想像出来ない。自分は戸の外《そと》に消えてゆく女の足音に半《なか》ば頭《こうべ》を回《めぐ》らした。
 老令嬢が出て行ったあとで、自分とK君は忽《たちま》ち親しくなって仕舞った。K君の部屋は美くしい絨氈《じゅうたん》が敷いてあって、白絹《しらぎぬ》の窓掛《まどかけ》が下《さ》がっていて、立派な安楽椅子《あんらくいす》とロッキング・チェアが備え附けてある上に、小さな寝室が別に附属している。何より嬉しいのは断《た》えず煖炉《ストーブ》に火を焚《た》いて、惜気《おしげ》もなく光った石炭を崩している事である。
 是れから自分はK君の部屋で、K君と二人《ふたり》で茶を飲むことにした。昼はよく近所の料理店《りょうりや》へ一所《いっしょ》に出掛けた。勘定《かんじょう》は必ずK君が払って呉れた。K君は何《なん》でも築港《ちっこう》の調査に来ているとか云って、大分《だいぶ》金《かね》を持っていた。家《うち》にいると、海老茶《えびちゃ》の繻子《しゅす》に花鳥《かちょう》の刺繍《ぬいとり》のあるドレッシング・ガウンを着て、甚《はなは》だ愉快そうであった。之《これ》に反して自分は日本《にっぽん》を出た儘《まゝ》の着物が大分《だいぶ》汚《よご》れて、見共《みとも》ない始末《しまつ》であった。K君は余りだと云って新調の費用を貸して呉れた。
 二週間の間K君と自分とは色々な事を話した。K君が、今に慶応《けいおう》内閣を作るんだと云った事がある。慶応《けいおう》年間に生れたもの丈《だけ》で内閣を作るから慶応《けいおう》内閣と云うんだそうである。自分に、君は何時《いつ》の生れかと聞くから慶応《けいおう》三年だと答えたら、それじゃ、閣員の資格があると笑っていた。K君は慥《たし》か慶応《けいおう》二年か元年生れだと覚えている。自分はもう一年の事で、K君と共に枢機《すうき》に参する権利を失う所であった。
 こんな面白《おもしろ》い話をしている間に、時々下の家族が噂に上《のぼ》る事があった。するとK君は何時《いつ》でも眉《まゆ》をひそめて、首を振っていた。アグニスと云う小さい女が一番|可愛想《かあいそう》だと云っていた。アグニスは朝になると石炭をK君の部屋に持って来る。昼過《ひるすぎ》には茶とバタと麺麭《パン》を持って来る。だまって持って来て、だまって置いて帰る。いつ見ても蒼褪《あおざ》めた顔をして、大きな潤《うるおい》のある眼で一寸《ちょっと》挨拶《あいさつ》をする丈《だけ》である。影の様《よう》にあらわれては影の様《よう》に下《お》りて行《ゆ》く。嘗《かつ》て足音のした試《ため》しがない。
 ある時自分は、不愉快だから、此《こ》の家《うち》を出ようと思うとK君に告げた。K君は賛成して、自分はこうして調査の為|方々《ほう/″\》飛び歩いている身体《からだ》だから、構わないが、君|抔《など》は、もっとコンフォタブルな所へ落ち着いて勉強したら可《よ》かろうと云う注意をした。其《そ》の時K君は地中海の向側《むこうがわ》へ渡るんだと云って、しきりに旅装《りょそう》をとゝのえていた。
 自分が下宿を出るとき、老令嬢は切《せつ》に思いとまる様《よう》にと頼んだ。下宿料は負ける、K君のいない間は、あの部屋を使っても構わないと迄云ったが、自分はとう/\南の方《ほう》へ移って仕舞った。同時にK君も遠くへ行って仕舞った。
 二三箇月してから、突然K君の手紙に接した。旅から帰って来た。当分|此処《ここ》にいるから遊びに来いと書いてあった。すぐ行《ゆ》きたかったけれども、色々|都合《つごう》があって、北の果《はて》迄|推《お》し掛ける時間がなかった。一週間程して、イスリントン迄|行《ゆ》く用事が出来たのを幸いに、帰りにK君の所へ回って見た。
 表《おもて》二階の窓から、例の羽二重《はぶたえ》の窓掛《まどかけ》が引き絞《しぼ》った儘《まゝ》硝子《ガラス》に映《うつ》っている。自分は暖かい煖炉《ストーブ》と、海老茶《えびちゃ》の繻子《しゅす》の刺繍《ぬいとり》と、安楽椅子と、快活なK君の旅行談を予想して、勇んで、門を入《はい》って、階段を駆け上《あが》る様《よう》に敲子《ノッカー》をとん/\と打った。戸の向側《むこうがわ》に足音がしないから、通じないのかと思って、再び敲子《ノッカー》に手を掛けようとする途端《とたん》に、戸が自然《じねん》と開《あ》いた。自分は敷居《しきい》から一歩なかへ足を踏み込んだ。そうして、詫《わ》びる様《よう》に自分をじっと見上げているアグニスと顔を合わした。其《そ》の時|此《こ》の三箇月程忘れていた、過去の下宿の匂《におい》が、狭い廊下の真中《まんなか》で、自分の嗅覚を、稲妻《いなずま》の閃《ひら》めく如く、刺激した。其《そ》の匂《におい》のうちには、黒い髪と黒い眼と、クルーゲルの様《よう》な顔と、アグニスに似た息子と、息子の影の様《よう》なアグニスと、彼等の間に蟠《わだか》まる秘密を、一度に一|斉《せい》に含んでいた。自分は此《こ》の匂《におい》を嗅《か》いだ時、彼等の情意、動作、言語、顔色《がんしょく》を、あざやかに暗い地獄の裏に認めた。自分は二階へ上がってK君に逢うに堪《た》えなかった。

       下宿

 始めて下宿をしたのは北の高台である。赤煉瓦《あかれんが》の小《こ》じんまりした二階|建《だて》が気に入ったので、割合に高い一週二|磅《ポンド》の宿料《しゅくりょう》を払って、裏の部屋を一間《ひとま》借り受けた。其《そ》の時|表《おもて》を専領《せんりょう》しているK氏は目下《もっか》蘇格蘭《スコットランド》巡遊中で暫《しばら》くは帰らないのだと主婦の説明があった。
 主婦と云うのは、眼の凹《くぼ》んだ、鼻のしゃくれた、顎《あご》と頬《ほゝ》の尖《とが》った、鋭《するど》い顔の女で、一寸《ちょっと》見ると、年《とし》恰好《かっこう》の判断が出来ない程、女性を超越《ちょうえつ》して居《い》る。疳《かん》、僻《ひが》み、意地、利《き》かぬ気、疑惑、あらゆる弱点が、穏《おだや》かな眼鼻を散々《さん/″\》に弄《もてあそ》んだ結果、こう拗《ひ》ねくれた人相《にんそう》になったのではあるまいかと自分は考えた。
 主婦は北の国に似合わしからぬ黒い髪と黒い眸《ひとみ》を有《も》っていた。けれども言語は普通の英吉利人《イギリスじん》と少しも違った所がない。引き移った当日、階下《した》から茶の案内があったので、降りて行って見ると、家族は誰《たれ》もいない。北向《きたむき》の小さい食堂に、自分は主婦とたった二人《ふたり》差向《さしむか》いに坐った。日の当《あた》った事のない様《よう》に薄暗い部屋を見回すと、マントルピースの上に淋《さび》しい水仙が活《い》けてあった。主婦は自分に茶だの焼麺麭《トースト》を勧《すゝ》めながら、四方山《よもやま》の話をした。其《そ》の時何かの拍子《ひょうし》で、生れ故郷《こきょう》は英吉利《イギリス》ではない、仏蘭西《フランス》であるという事を打ち明けた。そうして黒い眼を動かして、後《うしろ》の硝子壜《ガラスびん》に插《さ》してある水仙を顧《かえ》りみながら、英吉利《イギリス》は曇っていて、寒くて不可《いけ》ないと云った。花でも此《こ》の通り奇麗でないと教えた積《つも》りなのだろう。
 自分は肚《はら》の中で此《こ》の水仙の乏《とぼ》しく咲いた模様と、此《こ》の女のひすばった頬《ほゝ》の中を流れている、色の褪《さ》めた血の瀝《したゝり》とを比較して、遠い仏蘭西《フランス》で見るべき暖《あたゝ》かな夢を想像した。主婦の黒い髪や黒い眼の裏《うち》には、幾年《いくねん》の昔に消えた春の匂《におい》の空《むな》しき歴史があるのだろう。あなたは仏蘭西語《フランスご》を話しますかと聞いた。いゝやと答えようとする舌先を遮《さえぎ》って、二三句続け様《ざま》に、滑《なめ》らかな南の方《ほう》の言葉を使った。斯《こ》ういう骨の勝った咽喉《のど》から、どうして出るだろうと思う位《くらい》美しいアクセントであった。
 其《その》夕、晩餐《ばんさん》の時は、頭の禿《は》げた髯《ひげ》の白い老人が卓《たく》に着いた。是が私《わたくし》の親父《おやじ》ですと主婦から紹介されたので始めて主人は年寄《としより》であったんだと気が附いた。此《こ》の主人は妙《みょう》な言葉遣《こつばづかい》をする。一寸《ちょっと》聞いても決して英人《えいじん》ではない。成程《なるほど》親子して、海峡《かいきょう》を渡って、倫敦《ロンドン》へ落ち附いたものだなと合点《がてん》した。すると老人が私《わたくし》は独逸人《ドイツじん》であると、尋ねもせぬのに向うから名乗って出た。自分は少し見当《けんとう》が外《はず》れたので、そうですかと云った限《き》りであった。
 部屋へ帰って、書物を読んでいると、妙《みょう》に下の親子が気に懸《かゝ》って堪《たま》らない。あの爺《じい》さんは骨張った娘と較《くら》べて何処《どこ》も似た所がない。顔中が腫《は》れ上《あが》った様《よう》に膨《ふく》れている真中《まんなか》に、ずんぐりした肉の多い鼻が寝転《ねころ》んで、細い眼が二つ着いている。南亜《なんあ》の大統領にクルーゲルと云うのがあった。あれによく似ている。すっきりと心持《こゝろもち》よく此方《こっち》の眸《ひとみ》に映《うつ》る顔ではない。其《そ》の上娘に対しての物の云い方《かた》が和気《わき》を欠いている。歯が利《き》かなくって、もご/\している癖に何《なん》となく調子の荒い所が見える。娘も阿爺《おやじ》に対するときは、険相《けんそう》な顔がいとゞ険相《けんそう》になる様《よう》に見える。どうしても普通の親子ではない。――自分は斯《こ》う考えて寝た。
 翌日《よくじつ》朝飯《あさめし》を食いに下《お》りると、昨夕《ゆうべ》の親子の外《ほか》に、又|一人《ひとり》家族が殖《ふ》えている。新しく食卓に連《つら》なった人は、血色《けっしょく》の好《い》い、愛嬌のある。四十|恰好《がっこう》の男である。自分は食堂の入口で此《こ》の男の顔を見た時、始めて、生気《せいき》のある人間社会に住んでいる様《よう》な心持ちがした。my《マイ》 brother《ブラザー》 と主婦が其《そ》の男を自分に紹介した。矢っ張り亭主では無かったのである。然《しか》し兄弟とはどうしても受取《うけと》れない位《くらい》顔立《かおだち》が違っていた。
 其《そ》の日は中食《ちゅうじき》を外《そと》でして、三時過ぎに帰って、自分の部屋へ這入ると間《ま》もなく、茶を飲みに来いと云って呼びにきた。今日も曇っている。薄暗い食堂の戸を開《あ》けると、主婦がたった一人《ひとり》煖炉《ストーブ》の横に茶器を控《ひか》えて坐っていた。石炭を燃《もや》して呉れたので、幾分《いくぶん》か陽気な感じがした。燃えついた許《ばか》りの※[#「陷のつくり+炎」、第3水準1-87-64]《ほのお》に照らされた主婦の顔を見ると、うすく火熱《ほて》った上に、心持《こゝろもち》御白粉《おしろい》を塗《つ》けている。自分は部屋の入り口で化粧の淋《さび》しみと云う事を、しみ/″\と悟った。主婦は自分の印象を見抜いた様《よう》な眼遣《めづか》いをした。自分が主婦から一家の事情を聞いたのは此《こ》の時である。
 主婦の母は、二十五年の昔、ある仏蘭西人《フランスじん》に嫁《とつ》いで、此《こ》の娘を挙《あ》げた。幾年《いくねん》か連れ添った後《のち》夫《おっと》は死んだ。母は娘の手を引いて、再び独逸人《ドイツじん》の許《もと》に嫁《とつ》いだ。その独逸人《ドイツじん》が昨夜《ゆうべ》の老人である。今では倫敦《ロンドン》のウェスト・エンドで仕立屋の店を出して、毎日々々そこへ通勤している。先妻の子も同じ店で働いているが、親子非常に仲が悪い。一つ家《うち》にいても、口を利《き》いた事がない。息子は夜|屹度《きっと》遅く帰る。玄関で靴を脱いで足袋《たび》跣足《はだし》になって、爺《おやじ》に知れない様《よう》に廊下を通って、自分の部屋へ這入って寝て仕舞う。母は余程前に失《な》くなった。死ぬ時に自分の事を呉々《くれ/″\》も云い置いて死んだのだが、母の財産はみんな阿爺《おやじ》の手に渡って、一銭も自由にする事が出来ない。仕方がないから、こうして下宿をして小遣《こづかい》を拵《こしら》えるのである。アグニスは――
 主婦は夫《そ》れより先を語らなかった。アグニスと云うのは此処《ここ》のうちに使われている十三四の女の子の名である。自分は其《そ》の時|今朝《けさ》見た息子の顔と、アグニスとの間に何処《どこ》か似た所がある様《よう》な気がした。恰《あたか》もアグニスは焼麺麭《トースト》を抱《かゝ》えて廚《くりや》から出て来た。
 「アグニス、焼麺麭《トースト》を食べるかい」
 アグニスは黙って、一|片《ぺん》の焼麺麭《トースト》を受けて又|廚《くりや》の方《ほう》へ退《しりぞ》いた。
 一箇月の後《のち》自分は此《こ》の下宿を去った。

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